純NA V12の希少性が効きはじめた? 上位価格帯が3712万円で頭打ち | フェラーリ F12ベルリネッタ 中古相場分析【2026年7月版】— 76台集計

最終更新: | 76台・4サイトのデータに基づく

新車価格3620万円で世に出た、ターボ化前夜の最後のNAフラッグシップ。その中古の顔ぶれが、いま静かに動いている。当サービスが4サイト(カババ, カーセンサー, グーネット, 価格.com)から集めたフェラーリ F12ベルリネッタ76台を見ると、当集計の中央値は3195万円で前月から+70万円の上昇。上位価格帯は3712万円できっちり頭打ち。分析対象は2026年6月3日〜7月3日の掲載データだ。純自然吸気V12の希少性が値付けにどう滲み出ているのか、数字で追ってみたい。

市場サマリー

掲載台数
76台
価格帯
2850〜3712万円
中央値
3195万円
走行中央値
1.8万km

F12ベルリネッタの新着を見逃さない

今月の注目: 2014年式・低走行1万km未満個体, 修復歴なし・車検残あり, 東京/愛知の出品
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📝 本稿の読み方

TL;DR / 今月の要点

今月のトップ3変化(前月比)

前月と今月で、当サービス集計の顔ぶれには大きな入れ替わりがあった。上位3つの変化を拾う。

F12ベルリネッタ表記の総入れ替え(前月78件→今月0件)

前月まで「F12ベルリネッタ ベースグレード」という表記で78件が集計されていたが、今月は0件に。一方で後述する「F12berlinetta」表記が76件で新たに立ち上がっている。これはグレード判定のルール更新に伴う集計上の表記統一とみられ、実車の入れ替わりというより分類の付け替えの色が濃い。消失・希少化と読むべきではない点に注意したい。

F12berlinetta 表記の初登場(0件→76件)

上記の裏返しで、今月は標準グレード「F12berlinetta」が76件で初登場した。中央値は3195万円。前月の78件(中央値3125万円)と実質的に地続きの集団と捉えるのが自然で、車両プールそのものが大きく変わったわけではないと読める。

70周年記念車の掲載消滅(2件→0件)

前月に2件あった「70th Anniversary」表記の個体(中央値4630万円)が今月は0件に。もともと少数の参考値であり、1〜2台の在庫変動でゼロにも復活にも振れる規模だ。仮説として、希少個体が掲載終了した可能性はあるが、サンプルが小さく断定はできない。

直近3ヶ月の推移

当サービス集計の中央価格は、3ヶ月の範囲ではゆるやかな上昇基調にある。5月3135万円 → 6月3125万円 → 7月3195万円と、6月に一度沈んで7月に持ち直した形だ。掲載中の在庫(掲載中件数)は83件 → 58件 → 43件と一貫して減少しており、選べる玉数は細ってきている。掲載期間の中央値は5月3日 → 6月38日 → 7月27日。5月は掲載終了が5件と少なく参考値の域だが、7月は掲載終了12件と観測が増え、27日という数字はそれなりに実感に近い。3ヶ月という短い窓ではあるが、在庫が絞られながら値は下げ止まっている、というのが本サービス集計から読み取れる空気だ。

F12ベルリネッタの中古市場の輪郭(当サービス集計)

まずは全体の姿から。数千万円クラスの世界でも、数字は驚くほど狭い帯域に集まっている。

集めた76台の内訳

当サービスが4サイトから収集したのは計76台、うち掲載中は43台。サイト別ではカーセンサー36台、価格.com24台、グーネット14台、カババ2台という内訳だ。価格.comは他サイトと重複掲載の可能性がある価格比較サイトなので、その点は割り引いて見たい。グレードはすべて標準のF12berlinettaに分類され、判別できた範囲では表記のブレも少なかった。

価格はどこに集中しているか

集計の中央値は3195万円。最安層(下位5%)は2850万円、最上層(上位5%)は3712万円で、全体の平均は3158万円だった。分布を眺めると、3200〜3250万円帯に14台がどんと固まり、そこを中心に左右へなだらかに広がる。庶民的なコンパクトカーが10台以上買える価格が「中心値」なのだから、これはもう別世界の話だ。分布はやや高値側に裾を引いており、一部の低走行・良年式が上限を押し上げている。

掲載開始・掲載終了の動き

今回の観測では、新しく掲載された個体より掲載終了になった個体のほうが目立った。掲載終了は今月12件と、前月の2件から大きく増えている。ただし供給の増減比は観測期間の制約で参考扱いにとどめたい。掲載終了は必ずしも売買成立を意味しないが、当サービス集計上「表から消えていく個体が増えている」のは事実で、動きのある月だったと言える。

年式ごとの相場と「価格の断層」

F12ベルリネッタには、当サービス集計ではっきりと見える価格の段差がある。1年違うだけで、中央値が100万円以上ジャンプするのだ。

年式ごとの中央価格

年式 台数 中央価格 走行距離中央値 信頼度
2013年式 18台 3073万円 26,000km 傾向として
2014年式 17台 3213万円 17,000km 傾向として
2016年式 2台 3698万円 10,000km 少数の参考値

2013年式と2014年式で140万円差、2014年式と2016年式ではさらに485万円差。年式が新しくなるほど、走行距離も短くなり価格も跳ね上がる素直な階段になっている。

世代内の熟成と個体差で何が起きたか

F12ベルリネッタは2012年発売から2017年終売まで単一グレードで貫いた1世代のモデル。派手なマイナーチェンジは公式には確認できないが、当サービス集計では年式ごとに価格がきれいに分かれている。走行距離と重ね合わせると、2013年式は走行2〜3万km帯が主力で3061万円前後、2014年式は走行1〜2万km帯が主力で3213万円前後。つまり「年式の新しさ」と「走行の少なさ」がセットで効いている構図だ。2016年式は2台のみの参考値ながら中央値3698万円と、明確に上の階層にいる。

減価カーブから見える性格

元フラッグシップにして純NA V12という出自が、下値をしっかり支えている印象だ。新車価格3620万円(2012年発売時)に対し、10年落ちに近い個体でも中央値3000万円台をキープしている。一般的なスポーツカーが辿る急な減価カーブとは違い、ほぼ横ばいで踏みとどまっているのが特徴。推測だが、ターボ化以前のNA V12という希少性が「これ以上は下がりにくい」という下支えとして働いている可能性がある(確証なし)。

グレード別の相場

「グレード別」と言っても、F12ベルリネッタは基本的に1グレードのモデルだ。だからこそ、個体差は年式・走行・装備・希少版で見ていくことになる。

主要グレードの顔ぶれ

グレード 台数 中央価格 年式中央値 走行距離中央値
F12berlinetta 76台 3195万円 2014年 18,000km

当サービス集計の76台すべてが標準のF12berlinetta。単一グレード構成のモデルなので、この1行がすべてを物語る。差がつくのはカーボンパッケージ、フルレザー、スペシャルペイントといったオプションの有無、そして純正メンテナンスプログラム(フェラーリの7年間メンテナンス)の残存有無だ。

グレード×年式で見る階段

標準グレード1本の中で、年式ごとに価格がきれいに階段状に並ぶ。2013年式18台が3073万円、2014年式17台が3213万円、2016年式2台が3698万円。同じ「F12berlinetta」の看板でも、年式という軸で625万円もの幅が生まれている。これは事実上、年式が“グレード”のように価格帯を分けているとも読める。

限定車・特別仕様車のプレミアム

車両の成り立ちを見ると、F12には世界限定799台の高性能仕様「F12tdf」が存在する。空力・軽量化・パワー向上を施したファミリーの頂点で、コレクター需要が非常に高い一台だ。ただし今回、当サービスが集めた76台にはtdfの掲載は確認できなかった。国内価格の一次情報も未確認のため断定は避けるが、流通台数が極端に少ない希少個体であることは間違いない。標準車が中央値3195万円で並ぶ今回のデータの、さらに上の世界にtdfやNOVITECコンプリートカーが存在する——そう捉えておきたい。

走行距離とコンディション

意外に思えるかもしれないが、当サービス集計では走行距離が少ないほど素直に高い、という王道の相関がはっきり出た。しかも一部には走行8〜12万kmでも中央値3265万円という個体が混じる。

走行距離ごとの価格感

本サービス集計を走行帯で切ると、0-1万km帯は3台の参考値ながら中央値3712万円と別格。1-2万km帯は17台で3204万円、2-3万km帯は15台で3004万円と、走行が伸びるほど順当に下がる。ただし8-12万km帯が2台の参考値で3265万円と、走行相応に下がりきっていないケースもある。少数サンプルなので断定は避けるが、装備や整備履歴で価格が支えられている個体があるのかもしれない。

低走行×新しい年式の希少性

走行と年式を重ね合わせると、希少性の在処が見えてくる。走行0-1万km×2014年式が3台で中央値3712万円、走行1-2万km×2016年式が2台で3698万円。「新しい年式で、かつほとんど走っていない」個体こそが上位価格帯を形成しているわけだ。逆に走行2-3万km×2014年式は2974万円まで下がる。距離の一伸びが数百万円を左右する世界である。

修復歴と車検残の現実

修復歴が判別できた35台は、全台が「修復歴なし」だった。元フラッグシップらしい玉の良さがうかがえる一方、サンプル全体の一部である点は割り引いて見たい。車検については、判別できた34台のうち車検残ありや整備付きの表記が入り混じり、車検が新しい(あるいは整備付き)個体の割合はおよそ35.3%。参考値として、車検残ありの中央値3125万円に対し車検整備付/なしが3203万円と、−2.4%ほど車検残あり側が低いという簡易比較の結果が出ているが、これは車検表記の自動解析に基づくもので出品者属性とも絡むため、断定はしない。

属性で見る供給の癖

トランスミッションで見ると、当サービス集計ではAT(デュアルクラッチのF1マチック)が30台で中央値3200万円、MT表記が17台で3163万円、判別不能が29台。F12ベルリネッタは本来7速デュアルクラッチが標準で、MT表記の扱いにはサイト側の記載差が含まれる可能性があるが、いずれにせよAT系がボリュームゾーンだ。価格差は37万円ほどで、大きな開きではない。

色の傾向では、「その他」が18台(3202万円)と最も多く、白系9台(3073万円)、黒系3台(3698万円)、銀・灰系2台(2974万円)、赤系2台(3200万円)と続く。定番人気はロッソコルサ(フェラーリレッド)系だが、今回集めたデータでは特定色に極端な集中はなく、黒系が少数ながら高値に振れているのが目を引く(参考値)。

地域では、東京都12台(3204万円)、愛知県10台(3061万円)、兵庫県・埼玉県・大阪府が各3台と続く。埼玉県は3台ながら中央値3712万円と突出しており(少数の参考値)、低走行の良個体が集まっている可能性がある。都市部と中京圏に在庫が偏る、いかにも高額スポーツカーらしい分布だ。

データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」

安い個体、高い個体。それぞれにどんな顔ぶれが並ぶのか。当サービス集計の両端を覗いてみる。

下位10%: 2919万円以下に並ぶ個体

最安層10台のラインは2919万円。年式中央値は2013年、走行距離中央値は27,000kmで、修復歴ありは0%。つまり「玉は良いが、年式が古めで距離が伸びている」個体群だ。純NA V12の音とフィーリングをできるだけ手頃に味わいたい、多少の距離は気にしないという読者に向く。フラッグシップの入口として現実的なゾーンと言える。

上位10%: 3330万円以上に並ぶ個体

一方、上位10%のラインは3330万円。こちらは年式中央値2014年、走行距離中央値10,000kmと、若く走っていない個体が並ぶ。修復歴ありは0%。コレクション性や資産性を重視し、なるべく新車に近いコンディションを求める読者向けだ。純NA V12の希少性が今後さらに増すと考えると(一般的な業界動向に基づく推測、確証なし)、この上位ゾーンは狙って動く価値がある。

本稿で描いた分布のどこを狙うかが決まったら、次は条件を絞って追いかけるフェーズに入る。今月は掲載終了が12件と前月から急増し、掲載期間の中央値は27日。良い個体は表に長く残らない。埼玉の3712万円個体のように、狙いの条件に合う一台がふらりと現れて、静かに消えていく——それを人力で毎日チェックし続けるのは現実的ではない。だからこそ、毎日の自動巡回という仕組みが効いてくる。

よくある質問(当サービス集計での回答)

Q1: F12ベルリネッタの中古相場はいくらですか? 当サービスが4サイトから集めた76台では、中央値は3195万円でした。安めの目安(下位4分の1)が2974万円、高めの目安(上位4分の1)が3213万円。最安層で2850万円、最上層で3712万円という幅です。中心は3200〜3250万円帯に集まっています。

Q2: F12ベルリネッタの買い時はいつですか? 本集計の3ヶ月では中央価格が3135万円→3125万円→3195万円とゆるやかに持ち直し、掲載中の在庫は83件→43件と減少傾向。玉数が絞られながら値は下げ止まっているという状況です。純NA V12の希少性が効くとすれば下値は堅い可能性があり(推測、確証なし)、狙いの条件が明確なら、良個体が出た瞬間に動ける準備をしておくのが現実的です。

Q3: F12ベルリネッタのMTとAT、どちらが中古では多いですか? 本集計では、AT系(7速デュアルクラッチ)が30台で中央値3200万円、MT表記が17台で3163万円でした。ボリュームゾーンはAT系です。価格差は37万円程度で大きくはありません。

Q4: F12ベルリネッタの走行距離は何kmまでが許容範囲ですか? 当サービスの集計では、走行1-2万km帯が17台で3204万円、2-3万km帯が15台で3004万円が主力です。0-1万km帯は3台の参考値で3712万円と別格。予算とコンディションのバランスでは、1-2万km帯が現実的な狙い目と言えます。

Q5: F12ベルリネッタで修復歴ありの個体はどれくらい安いですか? 本集計で修復歴が判別できた35台は、全台が「修復歴なし」でした。そのため、修復歴ありとの価格差は今回のデータでは算出できません。元フラッグシップらしく、市場に出る個体のコンディションは総じて良好という印象です。

Q6: 走行8万kmを超えても価格が下がりきらない個体があるのはなぜ? 当サービス集計では、走行8-12万km帯の2台が中央値3265万円と、走行相応には下がっていませんでした。少数の参考値なので断定はできませんが、装備や整備履歴、純正メンテナンスプログラムの残存などが価格を支えている可能性が考えられます(確証なし)。距離だけでなく履歴も含めて見るべき車、ということです。

Q7: 狙いの条件でF12ベルリネッタの新着を毎日追うには? 当サービス(中古車ウォッチ)は、カババ・カーセンサー・グーネット・価格.comの4サイトを毎日自動巡回し、条件に合致する新着個体をLINEに即時通知します。「2014年式×走行1万km未満」「修復歴なし×東京都」のような複合条件も設定可能で、無料プランなら24時間遅延版で試せます。本稿で見た通り掲載期間の中央値は27日、良個体はそれより早く消えることも多いため、自動追跡は事実上必須と言えます。

2026年7月のハイライトと注意点

今月最も特筆すべきは、当サービス集計の中央値が前月比+70万円(+2.2%の上昇)で3195万円まで戻したことだ。在庫が83件→43件と絞られる中での上昇で、上位価格帯は3712万円できっちり頭打ちのまま。純NA V12という出自の希少性が下値を支えている構図が、今月も続いていると読める。年式では2014年式が3125万円→3213万円へ+88万円と伸び、2013年式が3073万円で横ばい——若い年式ほど強含む傾向だ。

注意点として、今月の集計はグレード表記が「F12berlinetta」に総入れ替えされており、前月の「ベースグレード」表記との連続性は分類の付け替えを含む点に留意したい。また価格.comは他サイトとの重複掲載の可能性があり、グーネットは表記が独特でグレード判別が難しい個体がある。これらを踏まえ、単月の数字より継続観測で見えてくる方向性を重視したい。

本レポートは、中古車ウォッチが自動収集した4サイト(カババ, カーセンサー, グーネット, 価格.com)の掲載データに基づく集計です。日本全国の中古車市場全体の動向を示すものではありません。分析対象期間は2026年6月3日〜7月3日、対象は76件。数字はあくまで当サービスが観測した掲載データに基づくものです。本レポートは月1回の更新を予定しています。

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※ この記事のデータは中古車ウォッチがカババ・カーセンサー・グーネット・価格.comを横断して収集した2026年7月4日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。