生産終了から半年、GTS 4.0が中央値1,309万円 — 消えゆく982型の値札は本音を語り始めた | ポルシェ 718ボクスター 中古相場分析【2026年7月版】— 666台集計
ポルシェ最後の内燃機関ミッドシップは、いま中古車という形で「本音の値付け」を始めている。当サービスが2026年6月2日から7月2日までの30日間、カーセンサー・グーネット・価格.com・ネクステージ・ヤフオクの5サイトから集めた718ボクスターは 666件、うちアクティブ掲載311件。全体の中央値は991万円、そして4.0L NAフラット6を積むGTS 4.0は1,309万円。982型の生産終了(2025年10月)から約9ヶ月、値札の並びに何が起きているのかを、集計データから読み解く。
📝 本稿の読み方
- 分析対象: 5サイト(カーセンサー, グーネット, 価格.com, ネクステージ, ヤフオク)の掲載データ 666 件、期間 2026-06-02 〜 2026-07-02
- 集計方法: 期間中に各サイトに掲載されていた車両を集計しています。同じ車両が複数サイトに掲載されている場合は、それぞれを別の掲載として数えています。
- 注意点:
- メルカリや個人 SNS の売買、ディーラー店頭のみで売られている車両は対象外です
- 地域によってサイトの掲載量に偏りがあり、全国を均等にカバーしているわけではありません
- ヤフオクの価格は開始価格や現在価格で、実際の落札価格ではありません
- 価格.com に掲載されている車両は、他のサイトとも重複して掲載されていることがあります
- グーネット掲載車両はタイトル表記が独特で、グレードを判別できないものは『不明』として集計しています
市場サマリー
718ボクスターの新着を見逃さない
今月の注目: GTS 4.0 6MT, スパイダーRS, 25イヤーズ, スタイルエディション低走行
5サイトを30分ごとに自動チェック。新着が出たらLINEに即通知します。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
TL;DR / 今月の要点
- 全体中央値は991万円(前月比+5万円)、下は443万円から上は1,995万円まで、価格帯は1,500万円超のレンジで広がっている
- アクティブ掲載は311件で前月比 −44%。生産終了後の在庫吐き出しが一巡し、玉数は急激に細っている
- GTS 4.0の中央値は1,309万円、件数160件 — 全出品の約4分の1を占め、新車MSRP(約1,323万円)と紙一重
- 掲載期間の中央値は36日(前月25日から+11日)。回転は緩んだが、これは「売れなくなった」ではなく「在庫が減った」影響が濃い
- 2025年式(982型ICE最終年)は中央値1,291万円、中には2026年式(在庫販売分)の1,550万円級も混ざる
- MT車273件 vs AT(PDK)279件 で件数はほぼ拮抗、しかし中央値はMT 1,065万円 vs AT 801万円 — グレード構成の差がここに滲む
- 消えたラベル、増えた新ラベル: 前月まで「718 Boxster GTS 4.0」等英語表記だった集計が、今月からグレード判定ルールの整備で日本語カテゴリに全面切り替え。数字の連続性を読むときは要注意
今月のトップ3変化(前月比)
前月データと突き合わせると、今月は「グレード集計の再構築」と「実需の変質」が同時進行していた。以下、影響度の高い3つを取り上げる。
① 2018年式の中央価格が+116万円(772万円→888万円)
サンプル数は前月47件、今月44件とほぼ同規模ながら、中央値が一気に+15%跳ねた。2018年式はちょうど「GTS(2.5L 365ps)追加」の年で、当集計の2018年式には割高なGTS個体が今月厚く混ざった可能性が高い。仮説として、982型ICE生産終了後、フラット4の高出力版であるGTS 2.5Lを「サウンドは4気筒だが安めのフラット6代替」として狙う層が動き、程度の良い個体から先に高値で捌けている、と読めなくもない(あくまで解釈)。いずれにせよ、単一年式でこの幅の変動は珍しい。
② 主要グレードのラベルが「英語表記」から「日本語表記」に総入れ替え
前月まで「718 Boxster」412件、「718 Boxster GTS 4.0」169件、といった英語カテゴリで集計されていたものが、今月は「ベースグレード」257件、「GTS 4.0」160件へ切り替わっている。これは当サービスのグレード判定ルール刷新によるもので、実質的な流通消滅ではない。ただしラベル間で件数は完全には対応しないため、「前月比で件数がN倍」という単純比較は今月に限っては保留したい。
③ 掲載期間の中央値が25日→36日へ長期化(+44%)
掲載終了件数は前月66件から今月130件へほぼ倍増(+97%)。売れ行きは決して悪くない一方で、1台あたりの掲載期間は伸びた。背景としては、生産終了後に「様子見の売り手」が値札を下げず粘っている構図が想像できる(推測)。急いで買い替える理由が薄いオーナーが多い車種だけに、良個体ほど値付けを譲らず、結果として滞留期間が伸びる。買い手側から見ると、焦って高値掴みするより、粘る値札が動く瞬間を待つ余地が生まれた月だ。
🗞️ 今月のトピック
2026年5月22日、次期718ボクスターEVのプロトタイプがドイツで再目撃された(autonext.co報道)。バッテリー供給問題(Northvolt破綻)による発売遅延が囁かれてきた次期モデルだが、開発継続そのものは確認された形だ。CEOブルーメ氏は発売時期を「中期的」と表現するにとどめている。
もう1件、2026年4月23日にCarBuzzが「次期718にICEパワートレイン投入が確定、時期は未定」と報じた。EV専用計画の見直しが進んでいる可能性を示す報道で、これが事実なら「982型が最後のICE 718になる」という中古買い急ぎの前提が揺らぐ。本サービス集計では上位10%の中央値が1,407万円で頭打ち感があり、GTS 4.0の値付けが1,309万円で踊り場に入っているのは、こうした後継ICE噂と無関係ではないかもしれない(推測)。
直近3ヶ月の推移
本サービス集計の月次推移を並べると、中央価格は5月985万円 → 6月986万円 → 7月991万円と、ほぼ横ばいで微増の3ヶ月だった。ただし変動の主戦場は価格ではなく「量」にある。アクティブ掲載件数は733 → 553 → 311と、わずか2ヶ月で半分以下に落ちた。生産終了直後の売り抜け波が過ぎ、市場に残っているのは「本気で高く売りたい個体」と「本気で買いたい客が付くまで待つ個体」に二極化しつつある印象だ。
掲載期間の中央値は5月6日 → 6月25日 → 7月36日と、明確に長期化。ただし5月と6月は掲載終了件数がそれぞれ109件・66件と少なく、少数サンプルに引きずられた参考値の側面がある。3ヶ月の範囲では「玉数減少 × 滞留期間長期化」という組み合わせが読み取れる程度で、トレンド確定と断じるには早い。
718ボクスターの中古市場の輪郭(当サービス集計)
「ボクスター最後のガソリン世代」を追いかけて集めた666台には、どんな顔ぶれが並んでいるのか。
集めた666台の内訳
内訳の中心を成すのはカーセンサー317件、価格.com 204件、グーネット131件。価格.comは他サイトとの重複掲載を含むため、実質的な独立掲載数はもう少し絞られる。オークション(ヤフオク)は9件と極小、大手ディーラーチェーンのネクステージは5件のみ。中古の718ボクスターは、依然として個別ディーラー主導で流通している車種だと言える。
グレード判定の到達率は90.4%と高く、「不明」に分類されたのは64件(9.6%)にとどまる。輸入スポーツにしてはグレード情報が丁寧に記載される傾向が読み取れる。
価格はどこに集中しているか
全体の中央値は991万円、価格の高めの4分の1ラインは1,182万円、安めの4分の1ラインは698万円。最安層(下位5%)は550万円、最上層(上位5%)は1,504万円で、レンジ幅は約1,000万円に及ぶ。一般的なスポーツカーの中古と比べて分布が横に広いのは、2016年式ベースグレード(4気筒ターボ)から2025年式スパイダーまで、車両価格帯そのものが3倍以上開いているためだ。
ヒストグラムを見ると、650-700万円帯(54件)と1,050-1,100万円帯(51件)に2つの山がある。前者は初期型ベース+Sの塊、後者はGTS 4.0とスタイルエディションの塊。大衆スポーツとGTスポーツが1つのモデル名に同居している、と読める分布だ。
掲載開始・掲載終了の動き
期間中の新規掲載は165件、掲載終了は355件。単純な差分でみれば流通は縮小方向だが、この期間比は生産終了直後の玉出し一巡と重なるタイミングでもあり、恒常的なトレンドかは断言しにくい。掲載終了は「販売」を意味せず、あくまで「サイトから消えた」だけである点に注意したい。
年式ごとの相場と「価格の断層」
718ボクスターには、明確な2つの断層がある。1つは2019年から2020年にかけての「フラット6復活」の壁、もう1つは2024年から2025年にかけての「生産終了確定」の壁だ。
年式ごとの中央価格
| 年式 | 件数 | 中央価格 | 中央走行距離 |
|---|---|---|---|
| 2016 | 40 | 565万円 | 45,000km |
| 2017 | 52 | 640万円 | 36,000km |
| 2018 | 44 | 888万円 | 34,000km |
| 2019 | 60 | 768万円 | 24,000km |
| 2020 | 49 | 1,015万円 | 23,000km |
| 2021 | 32 | 1,114万円 | 18,000km |
| 2022 | 23 | 1,259万円 | 8,000km |
| 2023 | 29 | 1,285万円 | 9,000km |
| 2024 | 62 | 1,070万円 | 4,000km |
| 2025 | 66 | 1,291万円 | 3,000km |
進化型マイナーチェンジの前後で何が起きたか
2019年式(768万円)と2020年式(1,015万円)の間には247万円の断層がある。2020年に追加されたGTS 4.0(4.0L水平対向6気筒NA 400ps)が2020年式サンプルに厚く混ざったことで、中央値そのものが押し上げられた構図だ。実際、2020年式のGTS 4.0だけを取り出すと中央値1,150万円、ベースグレードだと801万円と、同じ年式内でも349万円の差がある。
もう1つの断層は2023年式(1,285万円)から2024年式(1,070万円)への逆行。ここは一見奇妙だが、2024年式には走行4,000km前後の「新車卸下ろし直後の登録済み未使用車」的個体が62件と厚く混ざっており、それらの多くがベースグレードとスタイルエディション(比較的手が届く価格帯)だったことで中央値が下がった。2025年式(1,291万円)が再び跳ね上がるのは、GTS 4.0の最終ロット27件が中央値1,537万円という高値で集中したためだ。
減価カーブから見える性格
一般的な輸入スポーツカーの新車→7年落ちで残価率50〜60%が相場だが、718ボクスターは違う。2016年式(発売初年式)でも中央565万円、当時のベースMSRP約682万円と照らせば残価約83%。10年落ちに近い個体でこれは異常な粘り強さだ。生産終了確定によって「もう新しく作られない世代」というプレミアが下から支えている構図が読み取れる。
グレード別の相場
GTS 4.0の中央値1,309万円と、ベースグレードの中央値749万円。同じ「718ボクスター」でも、値札は560万円違う。エンジンが2.0L直4ターボと4.0L水平対向6気筒NAで別物なのだから当然といえば当然だが、この差は今月さらに開きつつある。
主要グレードの顔ぶれ
| グレード | 件数 | 中央価格 | 中央年式 | 中央走行距離 |
|---|---|---|---|---|
| ベースグレード | 257 | 749万円 | 2019 | 25,000km |
| GTS 4.0 | 160 | 1,309万円 | 2023 | 7,000km |
| スタイルエディション | 74 | 1,070万円 | 2024 | 4,000km |
| GTS(2.5L) | 50 | 979万円 | 2018 | 32,000km |
| S | 43 | 730万円 | 2017 | 28,000km |
| 718ボクスターT | 9 | 1,020万円 | 2021 | 13,000km |
| 718スパイダー | 7 | 1,101万円 | 2024 | 3,000km |
718ボクスターT(9件)とスパイダー(7件)は少数の参考値ではあるが、Tの1,020万円という数字は当時のMSRP約893万円を大きく上回っており、レア扱いされているのが分かる。
グレード × 年式で見るMC効果
GTS 4.0の年式別推移を追うと、2020年式1,150万円 → 2021年式1,149万円 → 2022年式1,284万円 → 2023年式1,310万円 → 2024年式1,400万円 → 2025年式1,537万円と、きれいな右肩上がりを描いている。年落ちが浅くなるほど高い、というだけでなく、生産終了後の希少化プレミアが上乗せされていると読める。2025年式GTS 4.0の1,537万円は、2020年発表時のMSRP約1,323万円を約214万円上回る水準だ。
ベースグレードは対照的に、2016年式651万円から2020年式801万円まで比較的なだらかな推移。2021年以降サンプルが薄くなるのは、この時期のベースが世界的にGTS 4.0やスパイダー人気に押されて出荷が少なかったためと推察される(解釈)。
限定車・特別仕様車のプレミアム
限定車「25イヤーズ」(世界1,250台)は当集計で3件確認、上位10%層のグレード構成に3.4%含まれる。個別の中央値は少数サンプルのため参考値扱いだが、上位10%の下限が1,407万円であることから、25イヤーズは最低でもこのラインを超える価格帯に集中している。新車MSRP相当(GTS 4.0ベースで約1,400万円級)を考えると、5年落ちで新車価格を維持〜上回る水準が定着している。
スタイルエディション(74件、中央値1,070万円)は2022年発売の特別仕様車で、当時のMSRPが公表値ベースで約900万円台後半だったことを考えると、こちらも残価8〜9割の粘り。「オプション付きで割安な最終仕様」として実需が厚い。
走行距離とコンディション
意外にも、走行1万km未満の個体(中央1,224万円)は、1〜2万km帯(1,075万円)より約150万円高い。「低走行=高い」は当然のようで、走行距離帯ごとに刺さっているグレード構成が違うのが本当の理由だ。
走行距離ごとの価格感
0-1万km帯は165件と最も厚く、中央年式2024、中央価格1,224万円。ここには「登録済み未使用車」的な個体と、生産終了前後に慌てて確保された低走行GTS 4.0が集中している。1-2万km帯(65件)は中央年式2020で、GTS 4.0の初期ロットが主力。2-3万km帯(72件、中央値774万円)と3-5万km帯(98件、中央値705万円)は、2018〜2019年式ベースグレード+Sが中心の実用ゾーンだ。
面白いのは12万km以上(17件)の中央値が1,120万円と跳ね上がっている点。ここには2024〜2025年式の走行距離データが12万kmと誤登録された個体か、あるいは輸入業者経由の並行右ハンドル個体が混ざっていると推察される(要検証)。少数サンプルの参考値として扱いたい。
低走行 × 新しい年式の希少性
クロス集計で「0-1万km × 2025年式」を見ると52件、中央値1,402万円。ほぼ新車同然の最終年式が、これだけの分厚さで市場に出ているのは982型が明確に「投機対象化」しつつある証左だろう。「0-1万km × 2021年式」の4件、中央値1,494万円はさらに顕著で、5年落ちなのに2025年式より高い。25イヤーズや低走行GTS 4.0が混ざっていると推察される。
修復歴と車検残の現実
修復歴データが取れた336件のうち、修復歴ありは0件。これは718ボクスターというセグメントの性質(高額スポーツ、事故車は業販に流れる)を反映していると考えられる。ただし修復歴の記載自体がサイト任意項目なので、「修復歴なし」中央値1,011万円という数字は絶対視できない。
車検残の情報が取れた298件で、車検残ありの中央価格は1,044万円、車検整備付/なしは981万円、差は約6.5%(参考値として)。この差は表記の自動解析に基づく簡易比較であり、車検残の有無そのものよりも「車検を通してから出品する店=価格レンジも上」という店舗特性が交絡している可能性が高い。
属性で見る供給の癖
トランスミッションの内訳はMT 273件(中央値1,065万円)、AT/PDK 279件(中央値801万円)とほぼ拮抗しつつ、価格差は264万円もある。これはMT設定車にGTS 4.0 6MTやスパイダーなど高価格グレードが厚く含まれるためで、「MT個体はAT個体より高い」というよりは「高価格帯のグレードほどMT率が高い」と解釈するのが妥当だ。とはいえ、718ボクスターがポルシェ最後のMR NAオープンで、しかも6MTが選べる最終世代であることを考えると、MT個体の値付けの粘り強さには実需の裏付けがある。
カラーは白系141件(中央値903万円)が最大派閥、次いで銀・灰系41件(1,101万円)、黒系33件(772万円)。黄系15件が中央値1,188万円と高めなのは、GTS 4.0のレーシングイエロー個体が含まれるためと推察される。緑系8件、赤系6件は少数の参考値ながら、それぞれ1,000万円前後の値付けで、希少色プレミアの存在を示唆する。
地域別では東京都90件(中央値1,088万円)、千葉県57件(710万円)、愛知県52件(985万円)、大阪府50件(1,068万円)、神奈川県45件(786万円)、埼玉県40件(1,186万円)。埼玉と千葉で500万円近い差があるのは、輸入車専門店の集積と在庫ラインナップの違いによるところが大きい。「同じ首都圏でも県によって並んでいる個体の性格が違う」と覚えておくと、狙いを絞る際の目安になる。
データが示す「お得ゾーン」と「プレミアムゾーン」
同じ車名で、下は443万円、上は1,995万円。それぞれのゾーンには、どんな顔ぶれが並んでいるのか。
下位10%: 591万円以下に並ぶ個体
該当は60件、中央年式2016、中央走行距離64,000km。グレード構成はベースグレード50%、不明21.7%、スタイルエディション15%、S 13.3%。修復歴ありは0件。「初期型ベース+10年落ち+走行6万km級」が典型像だ。ベースグレードの2.0L直4ターボは公道での実用性能に不足はなく、幌の状態と定期メンテ履歴さえ確認できれば、500万円台で982型ボクスターを掴む選択肢として現実的に機能する。ただし2018年届出のエアインテーク改善対策(対策済みか)、幌ドレン詰まりによる室内浸水履歴、ウォーターポンプ交換履歴の3点は最低限確認したい。
「スタイルエディション15%」がこの帯に混ざっているのは意外だが、これは判別誤りで初期ベース個体が誤分類された可能性、あるいは特別仕様の中でも走行距離が伸びた個体が混ざっている可能性がある(要注意)。
上位10%: 1,407万円以上に並ぶ個体
該当は59件、中央年式2025、中央走行距離3,000km。グレード構成はGTS 4.0が78%と圧倒的、次いでベースグレード18.6%、25イヤーズ3.4%。最上層はほぼ「GTS 4.0の低走行×新しめ年式」で埋まっている。ここは投機色が濃く、新車MSRP約1,323万円を上回る個体が並ぶ。ポルシェ最後の4.0L NAフラット6を「未来の資産」として確保したい層が主なターゲットだろう。25イヤーズの上位進出は世界1,250台の希少性を考えれば当然で、5年落ちでも新車超えは当分続くと推察される。
ベースグレード18.6%がこの帯に含まれるのは、718スパイダー等の高価格モデルがベースグレード扱いで判別されているセルが混ざっている可能性がある。上位帯を狙う際は、写真とグレード表記の突き合わせが必須だ。
本稿で描いた分布のどこを狙うかが決まったら、次は条件を絞って監視するフェーズに入る。718ボクスターは掲載期間の中央値が36日と長期化してはいるが、良個体ほど例外的に早く消える。狙いのGTS 4.0 6MTや25イヤーズが1週間で消えても、その1週間に気付けなければ意味がない。毎日の自動巡回が、実質的に必要になってくる領域だ。
よくある質問
Q1: 718ボクスターの中古相場はいくらですか?
当サービスが5サイトから集めた666台の集計では、中央値は991万円。半分の個体はこの上下に分布し、下位25%は698万円以下、上位25%は1,182万円以上です。最安層は550万円前後、最上層は1,504万円前後まで広がっており、グレードと年式でレンジは大きく変わります。
Q2: 718ボクスターの買い時はいつですか?
本集計では2025年10月の生産終了以降、玉数が明確に減っています(アクティブ在庫は前月比 −44%)。特にGTS 4.0とスパイダー系は中央値が年を追って上昇中で、「待てば下がる」局面ではありません。一方でベースグレード・スタイルエディションは需給が比較的落ち着いており、掲載期間の中央値も36日に伸びているため、値札の動きを追いながら粘り強く探せる時期です。
Q3: 718ボクスターのMTとAT、どちらが中古では多いですか?
本サービス集計ではMT 273件、AT(PDK)279件でほぼ拮抗します。ただしMT側にGTS 4.0や スパイダーなどの高価格グレードが厚く含まれるため、中央値はMT 1,065万円、AT 801万円と差が開きます。「MTだから高い」というより「高いグレードほどMT率が高い」と読むのが正確です。
Q4: 718ボクスターの走行距離は何kmまでが許容範囲ですか?
当集計では走行3〜5万km帯(中央年式2018)が98件と最も厚く、中央値705万円で流通しています。ここまでは実用範囲として市場に受け入れられていると読めます。5〜8万km帯は23件、8〜12万km帯は14件と急激に少数化するため、この帯を選ぶ場合は整備履歴(ウォーターポンプ、エアコンコンプレッサー、幌ドレン清掃)の記録がしっかりしている個体を選びたいところです。
Q5: 718ボクスターで修復歴ありの個体はどれくらい安いですか?
本サービス集計では修復歴データが取れた336件のうち、修復歴ありは0件でした。高額輸入スポーツというセグメント特性上、事故車は業販ルートに流れやすく、小売サイトには出てきにくい傾向があります。「小売で修復歴ありに出会うことは稀」と考えておくのが実態に近いです。
Q6: 生産終了後、GTS 4.0はまだ値上がりしますか?
当集計ではGTS 4.0の年式別中央値が2020年式1,150万円から2025年式1,537万円まで一貫して上昇しており、生産終了確定以降のプレミア化は数字に出ています。ただし2026年4月のCarBuzz報道で「次期718にICE投入」の可能性が示唆されており、これが確定情報になると「982型が最後のICE」という前提が揺らぎます。仮説として、今後の値動きは後継モデルの公式アナウンス次第で天井が変わり得る、と見ておくのが安全でしょう。
Q7: 狙いの条件で718ボクスターの新着を毎日追うには?
当サービス(中古車ウォッチ)は、カーセンサー・グーネット・価格.com・ネクステージ・ヤフオクの5サイトを毎日自動巡回し、条件に合致する新着個体を LINEに即時通知します。「GTS 4.0 × 6MT × 走行1万km未満」「スタイルエディション × 白系 × 関東」といった複合条件も設定可能で、無料プランなら24時間遅延版で試せます。本稿で見たように、掲載期間の中央値は36日と長めですが、良個体ほど1週間以内に消える例が珍しくありません。毎日の自動追跡は、事実上必須のインフラです。
2026年7月のハイライトと注意点
今月のハイライトは、GTS 4.0の中央値1,309万円が「新車MSRP約1,323万円と紙一重」まで迫ったことに尽きる。2025年式GTS 4.0に絞れば中央値1,537万円で、既に新車価格を+214万円超過する水準だ。982型ICEの生産終了が9ヶ月前に確定してから、この差は着実に開きつつある。前月比では2018年式の中央価格が+116万円、掲載期間中央値が+11日と、「特定年式の急伸」と「回転の緩やかな長期化」が同時進行した。
注意点として、今月からグレード判定ルールを日本語カテゴリベースに刷新した影響で、前月までの英語グレードラベルとの単純な件数比較は困難になっている。ラベル自体の入れ替えを「流通消滅」と誤読しないよう気を付けたい。また、ヤフオクの表示価格は開始価格・現在価格であり落札価格ではないこと、価格.comは他サイトとの重複掲載を含むことは、数字を読む際の前提として頭に入れておきたい。
継続観測で見えてくるのは、後継EV/後継ICE噂の確度が上がってきたときの相場の反応だろう。「982型は最後のICE 718」という前提が揺らげば、上位10%層の1,407万円という頭打ちラインが動く可能性がある。
本レポートは中古車ウォッチが自動収集した5サイト(カーセンサー・グーネット・価格.com・ネクステージ・ヤフオク)の掲載データに基づく集計で、日本の中古車市場全体の動向を示すものではありません。分析対象期間は2026年6月2日から7月2日までの30日間、対象台数は666件、うち期間末時点でアクティブ掲載は311件です。同じ車両が複数サイトに掲載されている場合はそれぞれを別掲載として数えています。次回更新は2026年8月上旬を予定しています。
666台超の718ボクスターから条件に合う1台を
特に GTS 4.0 6MT, スパイダーRS, 25イヤーズ, スタイルエディション低走行 は出物が出ると早く動きます。5サイトの新着を30分ごとにチェックして、LINEで即通知。
この月次レポートも毎月3日にLINEで届きます。
過去の718ボクスターに関する記事
- 2026年7月3日 718ボクスターの中古車相場ガイド(この記事)
- 2026年6月3日 718ボクスターの中古車相場ガイド
- 2026年5月1日 718ボクスターの中古車相場ガイド
- 2026年4月19日 718ボクスターの中古車相場ガイド
ポルシェ 718ボクスター の関連ページ
※ この記事のデータは中古車ウォッチがカーセンサー・グーネット・価格.com・ネクステージ・ヤフオクを横断して収集した2026年7月3日時点の情報です。実際の価格・在庫は各サイトにてご確認ください。